社労士 回想

来年の合格に向けて、教材選び(その1)

本試験が終わってから数日間、私はずっと来年どう勉強するか考えていた。

今年の学習が失敗に終わった原因は何か?

・勉強の絶対量の不足(1月から手探りで開始したため)
・分からない時に聞く相手がいないせいで、時間をロスしている
・基本テキストが使いづらい(真島の基本書)
・常識科目について、市販の教材では情報の質と量が不足

自分で分析した限りではこんな感じだ。
特に苦しんだのはやはり質問相手がいないこと。これが致命的に理解を遅らせた。年金科目を理解しきれなかったのも、このことがかなり影響している(時間がなかったのもあるが)。複雑な科目ほど、テキストとテープだけでは理解しきれないのだ。

仕事のことやら、費用のことを考えると、さすがに通学は難しい。限られた時間の中で有効に知識を身に付けるには質問制度のある通信教育が一番いいと思った。

数ある通信教育を全て調べたわけではないが、掲示板などでの評判、またこれまで使用してきた条文順過去問題集やカセットテープの品質の高さを考えると、IDE社労士塾(通信)が一番頼りになりそうな気がした。また、LECやTACなどの大手と比べると、社労士試験だけを専門に扱っているというところが魅力だった。

17年度本試験の結果

会社を辞めてまで受験勉強に専念した結果がこれ。
さすが終わった瞬間に不合格を覚悟しただけのことはある。
ただ、この年、惜しくもという結果になるよりは、見事にハシにも棒にも引っかからない方が、翌年の受験へのモチベーションはコントロールしやすい。
そういう点では、分りやすくていい結果だったと思っている。


17年結果



























































選択式の労基は2点救済。
択一の常識と国年は足切りである。
特にこの2科目が苦手だったわけではないが、本試験レベルに対応できる学力が付いていなかったのは確かだろう。
むしろその他の科目が運が良かったといった方がよい。
いずれにしても、一からやり直すしかない。

最初の本試験

本試験当日は早めに家を出て、会場の名城大学へと向かった。
目的地に近付くにつれて、受験生らしき人影が目立つようになる。
地下鉄の階段を上ると、会場までの歩道は受験予備校のチラシ配りの人で埋め尽くされていた。
そして会場へと続く受験生の列、列、列・・・。

何だか自分がとても場違いな所へ来てしまった気がした。
受験生はもちろん、それを支える予備校の人たちも皆、真剣だ。まさにここは勝負の場所。

年金科目の全体像すら把握できていない状態で、こんな所へ来るなんて、ちょっと失礼じゃないのか?

そう思うと不思議とリラックスできた。
受験番号を確認して会場に到着した。
落ち着いて周りを観察するとなかなか面白い。必死の形相でテキストを読みふける人もいれば、落ち着いて瞑想する人、寝ている人。
試験官も色々なタイプがいる。アカ抜けない感じのおっさん、まだ20代の茶髪のお兄ちゃん、女性は地味な人が多い気がした。あんな兄ちゃんでも試験に受かれば社労士なんだと思うと不思議な気分だ。

試験官のくどいくらいの注意事項の説明の後、選択式試験が始まった。

いつものように労基から解き始める。
ところが、これが難しい。20分ほど考えたが、自信のある答えが3つ埋まらない。
仕方ないので飛ばして進む。
他の科目はおおむね回答できた。
ちょっと迷ったのは労一の右向きと上向きくらい。これも文脈から判断して右向きと決めた。この辺はまるで国語の問題を解いているようだ。
残った時間は30分。再度全科目の解答の自信度をチェックして、労基以外は安全圏であることを確認して、労基に再挑戦。
結局、自信のある答えは見つからず、迷いに迷って終了直前に祈るようにマークした。

昼休み、出がけにコンビニで買ったサンドイッチを食べながら横断集を読むが、あまり頭には入らない。答え合わせはしないほうがいいと聞いていたので、午前の試験のことは考えないようにする。

テキストやら問題集、ノート、横断集など、随分と持ち込んでいたが、結局ほとんど使わないまま午後の択一がスタート。

国年から解き始めるが、調子が良くない。
どの問も自信を持って回答できるものがない。
結局、30分以上かかって無理やり答えを選んで厚年にかかる。
これもまた難しい。基金のことなんてほとんど覚えていないので、山勘で解き進む。
自分の知っている知識だけを頼りに、少しでもそれに反するような肢は×にした。
厚年も30分以上かかった。

ここまできて、時間が足りなくなることを予感したため、比較的理解できてそうな労災、雇用を先にやることにする。
その後、常識、健保が終わった頃には残り時間が20分を切っていた。
長文の労基を残してたった20分!?
完全にヤケクソで回答していく。
ほとんど考えず、頭から読んでいって答えらしき肢が見つかったところで後の肢は読まずに次へ進む。

あっという間の3時間半だった。

模試の時と同じで、時間配分もうまくいかなかったし、ほとんど自信を持って回答できたとは言えないけれど、最後まで諦めずにやり抜いた満足感があった。

ただ、あんなに一生懸命勉強してきたのに、本試験に間に合わなかったことが悔しかった。絶対に来年は合格してやる、帰り道でそう誓った。

帰ってから、受験会場にハンカチを忘れてきたことに気付いた。交通費と所要時間を考えると取りに行くわけにもいかないので、諦めることにした。

ただ、忘れ物はもうひとつあった。
それは決して諦められないものだ。
来年必ず持って帰る。
合格という忘れ物を!

本試験前日に思ったこと

本試験の数日前から図書館の自習室で社労士の教材を開いている人を目にすることが多くなっていた。

意外と身近にいるもんなんだな。

孤独な独学者にとっては、そんなことでも励みになった。

本試験の前日は土曜日のため、図書館は5時で閉館となる。

仕方ないので、そのままマックへ行って勉強を続けた。

8月からは過去問を中心にアウトプット学習を続けていた。

本試験前日の段階では、年金科目の過去問の2回転目をやっていた。

しかしここでも焦りが出てしまった。

過去問をやりながら、国民年金と厚生年金の内容がごっちゃになってしまっていることに気づいたのだ。

このような状態になってしまうと、自分が何が分かっていて何が理解できていないかすら分からなくなってくる。

やればやるほど危険な心理状態になってくるのが分かった。

諦めて8時半にテキストを閉じた。

とうとう間に合わなかったな。

分かっていたこととはいえ、何とも言えない気分だった。

不合格は覚悟の上だが、勉強は諦めないぞ

平成17年7月末の段階での学習進捗状況は、社一のインプットがもう少しで終わるといったところだ。

国年も厚年も過去問はわずか1回回したのみ。

ここから8月28日の本試験までわずか4週間で一体何ができるか?

何度もカレンダーを作って1日単位で学習計画を作り直したが、計画通りに進むことは一度もなかった。

正直言ってこの時点で、今回の本試験で合格するのはほぼ不可能だということは覚悟していた。

しかしそれでも諦める気にはなれなかった。

私はこの時、将来の自分のやる気の持続力を信用していなかったのだ。

だから、ダメでもいいから、とにかくできるところまでたどり着こうと思っていた。

今年の本試験を来年の模試代わりにしたっていいじゃないか。

同じ会場で、同じスケジュールで、同じプレッシャーの中で、本当の試験問題に取り組むことができるのだから、それこそ最高の模擬試験だ。

そう思って、徹底的に自分を追い込むことにしたのだ。

だから、8月は本当に必死で勉強していた。

自分にできることを全てやろうと、とにかく後悔したくない、それだけを考えていた。

ただ、覚悟はできていても、やはり全体が理解できていないので、なかなかアウトプット学習は進まなかった。

本試験が近付くにつれて、焦りが募った。

TAC、LEC共に撃沈!

さて、久しぶりに受験時代の話である。

平成17年の6月一杯で会社(某トヨタ系メーカー)を期間満了退社した私は、毎日朝から晩まで勉強漬けの生活を始めた。

7月末に模試を受けるのを決めたはいいが、7月頭の段階で国年と厚年、社一がインプットすら手つかずの状態。

無理やりラストスパートしたが、手ごわい3科目が終わるわけもなく、模試(TAC)の成績は散々なものだった。
択一は70問中、20点台。
ただ、選択は苦しまきれに選んだ回答がかなり当たって、3点を下回ったのは手つかずだった社一のみ。

その一週間後のLECの試験も似たような結果で、択一がどうにも歯が立たない。
とにかく分からない問題が多いとどうしても時間を取られてしまうのだ。そのせいで後の方で取り組む科目は時間が足りずに慌ててしまい、ケアレスミスの連発。
涼しい顔で答え合わせをしている周りの受験生たちがすごい人に見えた・・・。

会社を辞めて受験に専念!

平成17年7月1日、私は晴れて無職の社労士受験生となった。

今日からは汗だくで働かなくていい。

毎日、朝から晩まで勉強して、これまでの遅れを取り戻し、なんとかして今年の試験に合格するのだ。

生活費は失業保険で賄える。

試験日は8月28日。

現時点での学習進捗状況は、労基、安衛、労災、雇用、徴収、労一、健保までのインプットが終わったところ。アウトプットは過去問を一回まわした程度。

絶望的に遅れているが、今日からは毎日が勉強DAYだ。取り戻してみせる!

まずは模試を受けることにした。7月第3週にTAC、第4週にLEC。
この模試までの間に、なんとかインプットを全科目終わらせる。

朝9時から午後7時まで、図書館の自習室に籠る。
図書館が休みの月曜日はマクドナルドでひたすら勉強。

ところがショッキングな出来事が・・・
雇用保険の手続きで職安に行ったとき、自分が7日間であるはずの待期の期間を3日間と勘違いしていることに気づいたのだ。

ヤバイ…。こんなことすら忘れているなんて。
インプットすればするほど、前に学習した内容を忘れていっている。
だが、1回転目のインプット学習すら終わっていない段階では、戻って復讐する時間はない。
一体どうすればいいのか?

受験勉強後半戦に向けて

さて、このままでは本試験に間に合わないという事態に気付いた私は、スケジュールを組み直すしかなかった。

1月のスタート時点でも各科目ごとのスケジュールを大雑把に組んではいた。が、その時点ではまだ教材も学習方法も確定しておらず、手探りで取り組んでいくうちに予定はズレズレになり、ゴールデンウィークまで来てしまったというのが実情だ。
しかもこの後に残っている科目は年金をはじめ、初学者が苦戦しそうなものが多い。
今のペースで学習を続けても、本試験に合格するどころか、1回転目の学習さえ完了しないかもしれない。

ここで一番簡単なのは、来年に持ち越すという選択肢である。
正直、現在の状況ではそれが最も合理的だということは分かっていた。しかし、社労士受験というものは2年計画が素直に通用するほど甘いものではないということも、受験掲示板やメーリングリストなどの情報から察していた。人間の志というものは、そう何年も持続できるものではない。やろう、と決めた日から、全速力で走り抜けなければ、目的を達成する前にモチベーションが下がってしまうかもしれない。そうなって、何年も受験を繰り返している人が大勢いるらしいのだ。
だから結果的に1年目がダメでもいいから、なんとか合格を目指して最大限できるところまでやってみようというのが、私の結論だった。

スケジュールを練り直すといっても、できもしない計画を立てたところで、結果は変えられない。
短期間で学習を進めるためには、やはり時間を増やすしかない。
だが、これまでも勉強できる時間は極力勉強に費やしてきたつもりだ。そんな状況の中で勉強時間を増やすにはどうすればいいのか?

・・・・仕方がない。

・・・・・私は会社を辞めることにした。

会社といっても、期間工である。何も失うものはない。
そして幸い、契約期間の満期が6月末に迫っていた。
生活は雇用保険の失業手当で何とかなる。ありがたいことに、正社員と違って期間工は有期労働契約のため、期間満了で退社した場合には、3か月の給付制限を受けずに、すぐに失業手当がもらえるのだ。
早速、妻にもそのことを話したが、生活の心配がないということで納得してくれた。
あとは、7月、8月の2ヶ月間のラストスパートに賭けるのみだ。

こうして私の社労士受験後半戦がスタートした。

学習ペースについて

私は平成17年の1月から受験勉強を始めた。
ただし、最初のころは市販のテキストや問題集を使っていたため、学習効率がとても悪かった、と今になって思う。
IDEのカセットテープが届いた1月下旬には、すでに労働基準法を一通り読み終わっていたので、テープを併用し始めたのは労災の途中からである。
そしてIDEの条文順過去問題集を手に入れたのは4月に入ってからだ。その時にはもう雇用保険も終わって徴収法に入っていた。
徴収法が終わったのがゴールデンウィーク直前だ。多くの受験者がそうだと思うが、私もこの時期に自分の学習進度を検証した。
本試験まであと4か月。残っている科目は、労働一般、社会一般、健康保険、国民年金、厚生年金。
単純に科目数だけで見れば、1~4月で5科目、残りの4か月で5科目だ。
ただ、そのスケジュールで勉強していって、果たして合格できるだろうか?

ここまでの私の学習について再度まとめてみると、
・通勤途中にIDEカセットを聞く。
・会社の休憩時間に真島の基本書を読む。
・土日にカセットと基本書を併用して、それが終わると過去問題集を解く。
基本的にこの流れなのだが、実は端折った部分がかなりあった。
特にアウトプット学習が足りていないのを感じていた。
過去問題集は、一通りはなんとか解いたが、本当に理解できているというわけではなく、同じ問題をまた間違えてしまうようなレベルで、試験に対応できるだけの実力にはほど遠かった。
しかも、もうすでに最初の頃に学んだ労働基準法などは忘れ始めていた。
このままでいけば本試験当日にどのような状態に陥っていることか、薄々想像できた。

社労士の受験学習では、科目が10もあるため、最後の科目をやる頃には、最初に学習した科目はほとんど忘れてしまう。そのため、全体を3回転くらい学習しないと合格点は確保できないと言われている。
私のこのままのペースでは、本試験までにようやく1回転がやっとだ。

・・・・このままでは不合格確実である。

私の学習スタイル(アウトプット編 その2)

市販の問題集の誤植の多さに辟易していた頃、yahooの社労士メーリングリストでIDE社労士塾が出している7年分掲載の「条文順過去問題集」というのが使いやすいという評判を聞いた。

当時の私は「条文順」の問題集があることすら知らなかった。
確かに択一問題というのは、1問5肢からなっているが、同じ条文の内容で構成されている場合もあれば、5肢それぞれが異なる条文に関する内容の場合もある。
それらを一度バラバラに分解して、再度条文順に並べてあるのがこの問題集だ。

私は直観的にこれは使える、と思った。

本試験そのままの5肢択一問題は、1肢1肢が別々の引き出しにある知識から判断することを必要とするような構成になっていることが多いため、それぞれの知識をすべて習得した段階でないと、対応が難しい。
それに比べて条文順の問題集は、ひとつの項目を学習したら、すぐそれに対応する問題を解くことができる。

つまり学習の初期においては、条文順過去問題集は大幅に学習効率を上げてくれるわけである。

実際、購入してみると、他にも良い点がたくさんあった。
まず、解説が非常に分かりやすい。
これはIDEのカセットテープについても感じたことだが、無駄がなく、なおかつポイントを明確に捉えている。
そして、誤植、間違いがほとんど皆無である。
これは無くて当たり前という意見もあるが、これまで購入した市販のテキスト、問題集はみなどれも返品したくなるばかりの劣悪な品質のものが多かった。
IDEの条文順過去問題集は、それらとはまったく異質な、完成された教材と言って良かった。